
インプラントは絶対ダメ?
やめとけといわれる理由と
後悔しないための予備知識
失った歯の治療法として注目度の高い「インプラント」。
ただ、インターネットなどでは「やめたほうがいい」「やらなきゃよかった」というネガティブな意見もあり、不安を感じている方もいるでしょう。
たしかにインプラント治療にはいくつかのリスクが存在するため、それを知らずに治療を受けるのは後悔の元になりかねません。
そこで今回は、インプラントが絶対ダメといわれる背景と理由を明らかにしたうえ、満足のいく治療を受けるためのポイントを紹介します。
◾️インプラントとはどのような治療法か詳しく知りたい方はこちら
インプラント治療は絶対にダメなのか?
インプラントが「絶対ダメ」「やめたほうがいい」といわれる背景には、インプラント治療への理解不足があると考えられます。 本来インプラントとは、従来の治療法である入れ歯やブリッジに勝る機能性や審美性、快適性を兼ね備え、自分の歯とほとんど同じ感覚が取り戻せる治療法です。 適用できる場合は、治療上の良い面・悪い面の両方を理解したうえで検討することをおすすめします。
インプラント治療は歯科医師によって知識や技術に差がある
前提として、インプラント治療は、 専門的な知識と高度な技術が求められる治療法です。
ただ、保険が適用になる場合は医師の経験や治療施設に一定の条件が設けられるものの、自由診療だと特に決まりがありません。
そのため、治療を行う歯科医師によって経験に大きな差があり、インプラント治療を掲げていても知識や技術が伴っているとは限らないのです。
また、インプラントはすべての歯科医院で受けられるわけではないことにも注意しましょう。
適切な治療には最先端の設備と専門的な知識を要するため、治療が受けられる歯科医院が限られます。
インプラント治療を受ける際は、必ず歯科医院のインプラントに関する実績を確認のうえ、信頼できる歯科医師を選ぶことが大切です。
インプラントが絶対ダメといわれる要因
インプラントは失った歯の治療法として画期的な技術ですが、次のようなデメリットだけを取り上げて「絶対ダメ」といわれることがあるようです。以下では、インプラント治療のデメリットといえる7つの注意点について説明します。
手術がある
インプラント治療の工程には外科手術が含まれます。
また骨の厚みが足りない場合、骨造成手術も必要です。外科手術がある以上、周辺の血管・神経の損傷や、細菌感染といったリスクがあります。
治療を受ける方の年齢によっては、手術を負担に感じることもあるでしょう。
とはいえ、インプラントは専門医が細心の注意を払って治療を行います。
さらに麻酔を施したうえで手術を行うため、術中の痛みや負担はほとんどありません。
信頼できる歯科医院で治療を受ければ、インプラントのリスクは極めて小さいでしょう。
治療費が高い
インプラント治療には専門的な知識・技術や最新設備が必要なうえ、自由診療に該当するため、保険適用の治療法より費用が高額です。
1本あたり約35〜55万円が相場であり、人工歯の審美性や機能性、強度によって費用が上下します。
基本的に保険診療が適用されないため、すべて自費です。
しかし、インプラントは一度埋め込んでしまえばメンテナンス次第で10年以上は長持ちします。
また治療後、虫歯になる心配がなくなるのもメリットです。
入れ歯やブリッジ治療のように作り直しや再治療のリスクが小さいので、コストパフォーマンスが抜群によいといえます。
くわえて、インプラント治療は医療費控除の対象です。
領収証を保管し、確定申告を行うことで、翌年の節税になるため費用負担が抑えられます。
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治療に時間がかかる
インプラントは、検査・カウンセリングと1〜2度の手術を経て装着します。
安静期間も含めると、一連の治療がすべて完了するまでにかかる時間は約半年〜1年です。
骨造成手術を行う場合は、さらにその期間が追加されます。
といっても、インプラント治療での実際の通院回数は平均2.5回程度です。
1回の治療も約10〜20分、抜歯と同じくらいの時間しかかかりません。
もちろん入院も不要で、その日のうちに帰れるため、日常生活や仕事を妨げる心配はないでしょう。
適用できない場合がある
インプラントは、誰もが受けられる治療法ではありません。
たとえば、次の項目に該当する方は、インプラント治療の適用が困難な場合があります。
- 慢性的な全身疾患や基礎疾患がある
- 歯根の感染症や歯周病がある
- 顎の骨の量や厚みが少ない
- 金属や食品のアレルギーがある
- 妊娠中の方
とはいえ、上記に該当しても、インプラント治療が適用できることもあります。
たとえば、全身疾患や基礎疾患、口腔内の疾患などがあっても、治療を受け良好な状態を保っているなら適用可能です。
顎の骨の量や厚みが足りない場合は、事前に骨造成手術を行えば問題ありません。
治療や手術に用いる機材・薬剤にアレルギーがある場合は、歯科医師に相談すれば別の種類に変えてもらえる可能性があります。
また妊娠中の方は、産後落ち着いてから治療を検討しましょう。
一見すると適用が難しくても、多くのケースで適切な対処法があるので、まずは専門医に相談してみることをおすすめします。
治療後も継続的なメンテナンスを要する
インプラント装着後のホームケアと定期的な通院によるメンテナンスをプレッシャーに感じる方もいるでしょう。
適切なケアやメンテナンスを怠ると、持ちが悪くなるほか、口臭の原因になったり、インプラント周囲炎になったりする恐れがあります。
しかし、日常的なホームケアの内容は、天然歯と同じく基本的にはブラッシングのみ。
定期検診は数カ月〜半年に1回程度で、天然歯の予防歯科と同程度の負担しかかかりません。
保証期間の長いプランやサービスを選択すれば、万が一インプラントに不具合が生じた場合でも、出費が抑えられて安心です。
脱落すると再治療の難易度が上がる
インプラントの治療後、まれに器具が脱落することがあります。
装置の劣化による脱落なら交換で解決できますが、口腔内環境や顎骨の状態の悪化による再治療は容易ではありません。
ただし、治療の難易度は上がるとはいえ、絶対に再治療できないわけではないので過度な心配は不要です。
骨造成手術で顎の骨の量を増やしたり、感染症を治療したりすることで、インプラントの再治療ができる可能性があります。
禁煙・減煙を求められる
インプラント治療の間は喫煙を控える必要があり、そのことが喫煙者の方にとってのインプラント治療のハードルを上げている一因です。
喫煙は、血管の収縮と血流低下を招きます。
その結果、免疫力が低下してインプラント埋入後の骨の結合を妨げたり、手術前後の感染症の可能性が高まったりなど、治療のリスクが高まってしまうのです。
しかし、喫煙しているからといって必ずしもインプラント治療が受けられないとは限りません。
そもそも禁煙が必要なのは、手術前後の数週間および治療後に骨が結合するまでの3〜6カ月程度です。
また、禁煙ではなく減煙で対応できるケースもあるため、専門医に相談してみましょう。
インプラント治療が推奨される7つの理由
インプラントは、次の7つの理由から、非常に満足度の高い治療法です。
● 天然歯と同じような噛み心地が維持できる
● 見た目が美しい
● 明瞭な発音が保てる
● 丈夫で寿命が長い
● 周囲の健康な歯が温存できる
● 顎の骨が痩せるのを防げる
● 歯がまったくなくても治療できる
天然歯と同じような噛み心地が維持できる
インプラント治療では、天然歯と同じような構造の歯の根っこを作ります。
歯茎にインプラントがしっかり根付くため、歯をしっかり支え、噛む力が伝わりやすくなります。
本来の自分の歯と同じ感覚で噛めるので、健康やQOL(生活の質)が維持できるでしょう。
見た目が美しい
インプラントは、好みや予算に応じて審美性を自由に選択できる治療法です。
人工歯の素材によっては、天然歯に遜色ない見た目で、違和感がない仕上がりになります。
天然歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりにできるので、人前に出る際も気後れすることなく歯を出して笑ったり食事をとったりできるはずです。
明瞭な発音が保てる
インプラントは、入れ歯やブリッジとは異なり、発音に悪影響を及ぼしません。
構造が天然歯と極めて近いため、発音や滑舌に影響が出ることは極めて稀です。
器具や人工歯の構造もシンプルなので、引っかかってしゃべりづらくなることもありません。
万が一しゃべりづらくなったと感じたときは、噛み合わせや上部構造の形を調整することで対処できる可能性があるので、専門の歯科医師に相談するとよいでしょう。
丈夫で寿命が長い
インプラントは、治療を受けた方の大半が10〜15年使い続けているといわれています。
入れ歯は4〜5年、ブリッジは7〜8年程度の寿命しかないことを踏まえると、インプラントは非常に長持ちです。
適切なホームケアと定期検診によるメンテナンス、生活習慣の改善で半永久的に持たせられます。
部分的な調整・交換も可能で、保証付きのプランなら追加費用もかからないため、長い目でみてコストパフォーマンスに優れる治療法だといえます。
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周囲の健康な歯を温存できる
インプラント治療は、周囲の健康な歯を温存したいときに有効な治療法です。
入れ歯やブリッジ治療だと、人工歯の固定のため、治療箇所の両隣を削ったり抜いたりしなければなりません。
また、固定器具が口腔内に大きなストレスを与えます。
対してインプラントは、埋め込んだフィクスチャー(インプラント体)が上部 の人工歯を支える構造です。
したがって周囲の天然歯を犠牲にする必要がなく、健康な状態が保ちやすいといえます。
顎の骨が痩せるのを防げる
インプラントには、顎の骨が痩せるのを防ぐ効果が期待できます。
顎の骨が痩せると、輪郭や口元の印象が変わってしまいます。
また後々インプラント治療を行う際も、顎の骨が痩せて薄いと骨造成手術が必要になるため、治療の負担が増すでしょう。
入れ歯やブリッジを装着しても、歯からの刺激や噛む力の伝達力が弱まるため、抜けた歯の部分の骨が痩せてしまいかねません。
インプラントなら天然歯と同程度の噛む力が伝わります。
顎の骨にほどよい刺激が加わるので、十分な厚みが維持できるでしょう。
歯がまったくなくても治療できる
インプラントは、口腔内に歯が1本も残っていなくても適用できます。すべての歯をインプラントにするほか、次のような治療法で費用を抑えて治療することも可能です。
治療法の種類 | 概要 |
オールオン4 | 4〜6本のインプラントを埋め込んで固定式の人工歯を装着する |
オーバーデンチャー | 2〜3本のインプラントで取り外し式の入れ歯を固定する |
インプラントなら、従来の総入れ歯とは異なり顎にしっかり固定されるため、使い心地も上々です。
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「インプラント治療なんてやらなきゃよかった」とならないために大切なこと
ここからは、インプラント治療で後悔しないために押さえておくべき5つのポイントを紹介します。
ほかの治療法と比較・検討する
インプラント治療を受けるかどうか検討する際は、ほかの治療法とも比較することが大切です。
失った歯の治療法として、インプラントのほか、入れ歯とブリッジが選択肢となります。
なお、入れ歯・ブリッジそれぞれの特徴は以下のとおりです。
【入れ歯の特徴】
- 治療が簡単
- 保険診療が適用できる
- 見た目が不自然
- 硬いものが噛みにくくなる
【ブリッジの特徴】
- 見た目が自然
- 保険診療が適用できる
- 両隣の歯を削る必要がある
- 欠損した歯が多いと治療できない
【インプラントの特徴】
- 見た目や噛み心地が自然
- 健康な歯を傷つける必要がない
- 顎の骨が痩せるのを防げる
- 費用は基本的に自費となる
今後の暮らしへの影響を考慮すると、最も実用的な治療法はインプラントだといえます。
ただ、最適な治療法は希望や予算によって異なるため、それぞれの特徴を踏まえたうえ納得のいく治療法を選択しましょう。
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自身にとっての優先順位をつける
最善の治療法は、治療を受ける方自身の優先順位によって変わります。
たとえば、費用がかかったとしても快適な使い心地や見た目の美しさを重視するならインプラントがおすすめです。
一方、ある程度の機能性を求めるが、費用を抑えて治療したい場合はブリッジが第一選択肢となります。
手術を受けたくない、治療費がかけられないという方には、入れ歯が適しているでしょう。
自身の考え方や志向、健康状態を踏まえ、求めるポイントの優先順位をつけることで、最適な治療法が選べるはずです。
メリットだけではなくデメリットもあることを理解する
インプラントにはたくさんのメリットがある反面、デメリットも存在することを忘れてはいけません。
先述したようなデメリットから「インプラントは絶対ダメ」「やらないほうがいい」などといわれています。
デメリットを知らずに治療を受けた場合、人によってはやらなきゃよかったと後悔するかもしれません。
そもそも、どのような治療法にもメリット・デメリットの両面があります。
インプラントのデメリットは、治療法の性質や適用できる制度をきちんと把握するとともに、ちょっとした工夫で解決できるケースが少なくありません。
インプラント治療を検討していて、不安なことがあるなら、まずは専門の歯科医師に相談してみましょう。
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信頼できる歯科医院で治療を受ける
インプラントは期間が長期に渡る治療法であり、担当の医師との信頼関係が重要です。
説明が不十分だったり、疑問や不安に寄り添ってくれなかったりする歯科医師だと、信用できないと思う方も多いでしょう。
歯科医院や歯科医師の信頼性を見極めるポイントは、インプラント治療に関する知識・実績と接客の態度、衛生環境などです。
充実した設備・環境が整っており、丁寧な対応と十分な問診および説明、情報提供を行う歯科医師・医院なら、安心して治療を任せられます。
公式Webサイトや実際のカウンセリングの様子から、信頼性と自身との相性を見極めるよう心がけてください。
歯科医師とじっくり相談する
一口にインプラント治療といっても、実際の治療法は受ける方によってさまざまです。
一定の目安はあるものの、治療費や期間は身体および口腔内の状態や選択する手術方法、人工歯の素材などによって変わるため、一概にはいえません。
同じく、治療に関する疑問や不安、リスクも人によって多種多様です。
自身のライフスタイルや基礎疾患、志向を踏まえ、担当の歯科医師と治療方針をじっくりと話し合うことで、納得して治療が受けられます。
まとめ
インプラントは天然歯と同じ感覚を半永久的に取り戻せる画期的な治療法です。
適用範囲や選択の幅も広く、自身の希望や予算に合わせたプランが選べます。
デメリットだけをみて「絶対ダメ」という意見もあるかもしれませんが、大切なのは自身が納得のいく治療法を選ぶこと。
メリット・デメリットの両面を踏まえ、どの治療法がよいか選択しましょう。
どの治療法がよいか迷っているなら、まず無料カウンセリングを受けてみるのも一つの手です。
「あんしんインプラント」では全国の提携歯科医院でのカウンセリングを無料で受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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